2022年1月21日に、「第1回MATSURIワークショップin佐賀市」と題し、排CO2利活用において世界最先端の実証を進める佐賀市とMATSURI事務局が共同でCCU設備、藻類培養設備の現場視察会を開催いたしました。
今回のワークショップには、MATSURIパートナーから10団体21名の皆様にご参加いただきました。2021年にも開催を試みましたが延期となった経緯があり、主催者の私たちにとっても念願の対面ワークショップ開催となりました。
COVIT-19の影響で、残念ながら懇親会など参加者同士の交流の時間を十分に設けることは出来ませんでしたが、一緒に佐賀市の先駆的なバイオマス事業の取り組みを視察することで、実際の規模感やカーボンニュートラルに向けた取り組みをリアルに感じ、現実的な事業の在り方とは何かなど、共通認識として捉えることが出来ました。他の参加者の意見や質問を第三者として聞くことで学びも得られ、各団体が抱える課題解決や藻類産業の構築に向けた情報収集の場でした。参加者同士の熱量や空気感を感じることのできる対面ワークショップは貴重な時間だと改めて感じました。
本視察では、佐賀市清掃工場より得られる排ガス中のCO2を分離回収するフローから、そのCO2を活用した株式会社アルビータの藻類生産設備といった佐賀市の資源循環の取り組みをご覧いただきました。2014年のごみ焼却場の統廃合による異臭や騒音等、地元住民からの不安の声をきっかけに、佐賀市では、清掃工場から出るCO2や熱を有効利用し地元に還元できないかと考え、「迷惑施設から歓迎される施設に転換を!」をコンセプトに掲げたバイオマス都市構想の実現に向けて様々な取り組みをされています。
職員の皆様からのご説明では、バイオマス事業の現状から課題まで包み隠さず正直に話してくださる姿が印象的で、佐賀市の「嫌われ者の廃棄物を新たな資源として価値を生み出し、地域に還元したい」という熱意が伝わりました。
日本初のCCUプラントを持つ同市だからこそ話せるオフラインならではの裏話もあり、自治体として立ち向かうべき規制などの障壁を乗り越えた立ち上げ秘話、CO2回収だけでなく資源として有効利用するための苦悩、CCUプラントのコスト回収に対する自治体ならではの考え方や企業誘致などのバイオマス事業の最大の課題など、大変興味深い内容でした。
<参加者の感想>
●事業1つ1つではなく、佐賀市のように大きなフレーム全体を描く重要性を実感した
●MATSURIの社会的意義を再認識できた
●現場を見たことで、遠い将来と思っていた取り組みが現実味を帯びている様子が分かった
●CO2の有効活用の現状を知り、現実的な事業の在り方を考えさせられた
●他企業との個別の会話を通じて、協業の検討等、今後のコミュニケーションのきっかけづくりができた
●現場を見たからこそ出てくる他者の質問などから、オンラインでは得がたいような学びがあった
上記のように、当初の開催目的であった藻類産業における事業検討のきっかけの場においても、視察を通じて参加者の皆様に机上の空論ではない現実的な事業の在り方のイメージをお持ちいただけたと実感しております。
清掃工場からのCO2を活用する株式会社アルビータにて微細藻類のヘマトコッカスの培養から商品化までの一連の流れを拝見し、CO2削減を目標とする取り組みも多い中、佐賀市のように回収したCO2をどう資源活用するかまで、はじめに産業全体の絵を描き切ることが大事だと改めて感じました。
視察の冒頭に、「世界初となる藻を基盤とした社会の構築を、日本の企業と共に力強く進めることで、次の時代の日本の産業力の向上、日本の経済的発展に寄与したい。」といったMATSURI発起人 藤田の話がありましたが、MATSURIパートナーの皆様と直接お会いできたことで、一体となって世界に先駆けたプロジェクトを進めていく実感と覚悟がこれまで以上に強まったように思います。
MATSURIでは、藻類産業の構築に向けて、業種や規模を問わず、更に様々な企業の皆様のご参加をお待ちしております。
最後に、参加いただきました皆様にこの場を借りて厚くお礼申し上げます。
※新型コロナウイルス感染予防対策(飛沫抑制の徹底、来場者間の密集回避、参加者の体温管理等)を万全に実施いたしました。なお、ご参加者の皆様が日帰りでご参加いただけるスケジュールといたしました。
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