5月28日、29日、ちとせグループ(以下、ちとせ)は世界最大規模の藻類生産設備、CHITOSE Carbon Capture Central(以下、C4)の視察会をマレーシア、クチンにて執り行いました。本視察会には、MATSURI参画企業35社70名の方々にご参加いただき、Sarawak Biodiversity Centre(以下、SBC)およびC4の視察、講演会やパートナー交流会を実施いたしました。
■5月28日:SBC視察
行程初日は1000 ㎡の藻類生産設備を有するSBCの視察を行いました。SBCはサワラク州の生物多様性の保全を目的とした州立研究所です。ここでは約600種の微細藻類が保管されており、ちとせはその実用化に向けた技術アドバイザーとして携わり、以降、現在も協業を続けています。この日参加者は、試験管レベルの微細藻類やちとせが設計・監修を担った1000 ㎡の藻類生産設備をご見学いただきました。
■5月28日:C4視察
続いて一行は1000 ㎡の50倍、5 haの藻類生産設備を有するC4へ向かいました。研究機関として運用されているSBCの設備とは異なる、迫力のあるリアルなオペレーションをご覧いただきました。実際の運用を目にした多くの参加者から「自社の技術がここで活用できないか」「こんな形で貢献できるのではないか」などの言葉も聞くことができました。ご参加の皆様に藻類産業の構築が「夢物語ではない」ということを実感していただけたように思います。
■5月28日:懇親会
1日目の晩は、株式会社資生堂 エグゼクティブオフィサーの池田智子様による乾杯のご挨拶を合図に懇親会が開催されました。懇親会の中盤では、参加企業による自社紹介のセッションが行われました。各社の代表者(グループ企業はグループの代表者)32名が順番に「千年祭」の法被を身につけ、MATSURIへのご参画理由、MATSURIに懸ける想いを語ってくださいました。また、懇親会終盤、キャメロンハイランドのちとせ野菜を皆様に提供し、マレーシアで育つ日本品質の野菜をお楽しみいただきました。「経済面でも環境面でも持続可能な農業をしている」という説明、そして何よりもみずみずしいトウモロコシ、トマトの味に多くの方が感銘を受けたご様子でした。
■5月29日:講演会、意見交換会
2日目午前、ちとせ研究所 サラワク支店 支店長 伊香亮、ちとせグループ Chief BioEngineer 星野孝仁、日本ガイシ株式会社 代表取締役副社長 丹羽智明様による講演と、35社+ちとせメンバーを交えた意見交換会が行われました。意見交換会では、各業界について、MATSURI企業間連携について、設備や現場仕事についてなど、7つのテーマごとに中心人物を据えて車座になり、参加者が興味のある輪に加わって意見や疑問を互いにぶつけ合いました。企業という枠組みを越えて真剣な議論が交わされ、制限時間が足りないという声も聞こえてくるほどの白熱ぶりでした。
️講演タイトル
サラワク支店長 伊香亮「100 ha藻類生産設備のこれまでとこれから」
藻類事業統括責任者 星野孝仁「設備類に関する将来の展望と課題解決に向けた取り組み」
日本ガイシ 代表取締役副社長 丹羽智明様「藻類産業構築に向けた日本ガイシの挑戦」
意見交換会テーマ
「石油産業の未来、藻類の魅力」
(出光興産株式会社 執行役員 鈴木基弘様、ちとせグループCFO 今井正之)
「全てのものは藻から生まれる?MATSURIと考える『万物資生』」
(株式会社資生堂 エグゼクティブオフィサー池田智子様、ちとせグループCIO 笠原堅)
「みんなで考えよう! 藻類バイオマスの食への活用」
(池田糖化工業株式会社 専務取締役 水ノ上伸二様、事業企画部プランニングリーダー 真砂佳広様、ちとせグループSenior Manager オデット友紀)
「お祭り騒ぎ、見てないで踊れよ、MATSURIの連携について考えよう!」
(日本ガイシ株式会社 理事 大津武嗣様、三菱化工機株式会社 社長付 酒見伸一様、ちとせグループ General Manager 山岸梓)
「 白熱!丹羽副社長と星野の設備談義」
(日本ガイシ株式会社 代表取締役副社長 丹羽智明様、ちとせグループ Chief BioEngineer 星野孝仁)
「ボルネオ在住20年、 保谷が語るC4のリアル! これだから現場はやめられない!」
(ちとせグループ Senior Manager 保谷明範、Executive Officer Huang Hsiang-Ting)
「誕生日の藤田に物申す!」
(ちとせグループ代表 藤田朋宏)
2日間にわたる視察会を通じ、参加企業の皆様には藻類産業構築に向けた課題と可能性、またそれに対するちとせメンバーひとりひとりの熱量を体感していただきました。昨年春に5 haの生産設備C4の稼働が始まり、今、次なる100 ha設備への条件が整いました。藻類由来の製品が人々の暮らしを満たし、真にカーボンニュートラルを支える日が来るまで、今後一層MATSURI参画企業の皆様のご支援、ご協力が欠かせません。改めまして、灼けつくボルネオ島まで足を運び、ちとせと一緒に心を熱くしてくださったパートナーの皆様に深く感謝申し上げます。
MATSURIでは、藻類産業の構築に向けて、業種や規模を問わず、更に様々な企業の皆様のご参加をお待ちしております(お問い合わせはこちら)。
MATSURI現地視察会 概要
日程:5月28日(SBC視察、C4視察、懇親会)、5月29日(講演会、パートナー交流会)
場所:Sarawak Biodiversity Centre、CHITOSE Carbon Capture Central、Pullman Kuching Hotel、Sheraton Kuching Hotel
参加企業(五十音順)
アズビル株式会社/天野エンザイム株式会社/アルファ・ラバル株式会社/池田糖化工業株式会社/出光興産株式会社/岩谷産業株式会社/花王株式会社/三桜工業株式会社/株式会社シーエスデー/株式会社資生堂/合同会社シャネルR&I/株式会社商船三井/神鋼商事株式会社/高砂熱学工業株式会社/東亜建設工業株式会社/日産化学株式会社/日本製鉄株式会社/日本ガイシ株式会社/日本たばこ産業株式会社/株式会社みずほ銀行/三井金属鉱業株式会社/三井住友海上火災保険株式会社/三井住友海上火災保険マレーシア現地法人/株式会社三井住友銀行/三菱化工機株式会社/三菱ケミカル株式会社/三菱UFJ信託銀行株式会社/株式会社村田製作所/郵船商事株式会社/株式会社レゾナック/L’OREAL/Mers Line Pte. Ltd./Mizuho Bank (Malaysia) Berhad/MOL (Asia Oceania) Pte. Ltd./Niterra Malaysia Berhad
コピーされました